アウトリガーカヌー

木材をつなぎ合わせて船を作る技術が未だ無かった時代、舟は丸太をくり抜いて作っていました。しかし、くり抜いた木の幅だけではすぐに転覆してしまうのでその防止の為、片側もしくは両側に浮き材をつけたのがアウトリガーカヌーの始まりです。片側だけに浮き材がある事により、波と波の間で舟本体が宙吊りになって破損しないばかりか、うねりをうまく逃がして進む大きなうねりや波が押し寄せる海に囲まれて生き抜くには、そこに生きる人間の特別な海の知識と独特のアウトリガーカヌーが必要でした。
また、舟本体が人のお尻の幅ほどしかないので、Ama(アウトリガーの意)を海面から浮かせる事によって、かなりの速度がでるので、サーフボードと同じような感じで波に乗る事ができます。ハワイでは、何人のりでも、どんな形でも、アウトリガーカヌーはすべてWa'a(ワッア)と呼びます。ちなみにTahitiではVa'a(バッア)と呼びます。

OCとは、Ocean Craft の略です。競技スポーツとして確立して以来、OC-6,OC-1 など英語で呼ぶことが一般的になりました。ハワイではOC-6(6人乗りカヌー)TahitiではV-6。 ハワイではOC-1(一人乗りカヌー)TahitiではV-1という呼び方をします。世界的には、アウトリガーカヌーのことは、一般的に”Wa'a”とはいわず、”Va'a”で統一しているのが今の傾向であります。

「アウトリガー」とはカヌー(小舟)の片側に張り出した転覆防止用の舷外浮材の事をいいます。

それが付いたカヌーがアウトリガーカヌーです。ハワイではWa'a タヒチではVa'aと呼びます。



Va'a(アウトリガーカヌー)は、古代の人達が海を渡り島々を発見し新天地を見つけるためにつくられました。どんなに短い距離であっても、それは常に航海『海を渡る』という行為です。一緒にカヌーを漕ぐ仲間同士が、自分の都合だけでアウトリガーカヌーを漕いでいたら、アウトリガーカヌーは皆を目的地に無事にそして幸せに到着させることは不可能でしょう。

体の動きとしての調和、協調、共有だけでなく、気持、精神的なつながり、信頼関係がなければカヌーは海の上を滑りません。

アウトリガーカヌーを漕ぐ仲間同士が、調和、協調、共有すること。それがアウトリガーカヌーを一つになって漕ぐということなのです。

 

ポリネシアの人から学んだ大切な事〜アウトリガースピリット

漕ぎ手全員の意思と力がひとつになった時、Wa'aは人と天地自然と一体になり、海を滑り、うねりに乗ります。
Va'a (アウトリガーカヌー)は精霊と魂が宿る唯一の乗り物と言われています。
アウトリガーカヌーは遥か数千年前から地球上に存在し、人類が太平洋の島々に拡散するのに使用されていました。
Va'a造りは、精霊の宿る森にある神聖な木を切ってそれをくり抜き、いのちの源である海に浮かべます。

すべての工程で天地自然の神々への畏敬の念と森羅万象いきとしいけるものへの愛と感謝の祈りが唱えられVa'aは誕生します。
Va'aを漕ぐときはすべてを調和させ、協調、共有し、導きにゆだねます。そこに我(エゴ)は存在しません。
人が”個”から離れた瞬間、漕ぎ手全員の意思と力がひとつになった時、Va'aは人と天地自然と一体になり、海を滑り、うねりに乗ります。 
Va'aは宇宙や自然と私たちをつないでくれる、そして人の心とスピリットを癒してくれる不思議な乗り物です。


漕ぐことは祈り
漕ぐことは愛と感謝
漕ぐことは海とひとつになること
漕ぐことは天地自然とつながること
Va'a (アウトリガーカヌー)は・・・・・・
神社の御神輿のように皆で大切に心をこめて扱います。
Wa'aは道具ではありません。 魂があります。
自分の子供のように大切に扱います。
いつも名前で呼んであげましょう。
漕いでるときは、声を出して語りかけましょう。


【 気をつけましょう  】

(大昔、大切にされてきたことです)
Va'a のなかでは決して直立しない。(海でも陸でも)
Va'a の乗り降りは必ずアマ側から。
Va'a を砂の上に直接置かない。
Va'a をまたがない。(アマはOK)
Va'a をひきずらない。
Va'a の右と左で物をやり取りしない。
Va'a は必ず海にむかって置く。
Va'a のおき場は常に皆できれいにする。

6人で漕ぎます〜それぞれの役目

●1番シート
常に波と風と潮のコンディションを感じながら、ピッチとタイミングを刻むため、経験と持久力だけでなくリズム感が特に必要。

●2番シート
1番シートのパドラーに合わせピッチとタイミングを合わせるだけでなく、1番シートへの指示、コール(チェンジする合図)をする。2番シートのタイミングが合わないとカヌー全体の漕ぎのタイミングが乱れてしまうので経験が必要。通常は1番シートと逆のサイドを漕ぐ。

●3番シート
ハル(カヌー本体)の広い場所にシートがあるために、体格がよく、パワーがあるパドラーが座る。 通常は1番シートと同じサイドを漕ぐ、コールをすることもある。カヌーのエンジン的役割。
●4番シート
3番シートと同じくパワーがあり、大柄のパドラーが座る。通常は2番シートと同じサイドを漕ぐ。カヌーのエンジン的役割。
●5番シート
3,4番と同じようにカヌーのエンジンとなるだけでなく、海のコンディションによっては、ステアー(6番シート)のサポートをする。経験がありパワーがある人が座る。通常は3番シートと同じサイドを漕ぐ。
●6番シート(ステアーズマン)
カヌーの舵取り役であり、船頭。海とカヌーで起こりうる全ての状況を判断しながら、波、風、海流、潮目など、自然から得ることができる全てのサインを感じながら、道しるべの無い海でカヌーの進む方向を決め、目的地に無事に到着させる重要なシート。経験とセンスが必要。状況に合わせて漕ぎながら舵取りをする。

アウトリガーカヌー用語

Paddle (パドル)
OCの場合、オールとは呼ばずパドルとよぶ。

Paddling(パドリング)
パドルを使って漕ぐ行為。パドリングの方法は日進月歩でパドル力、年齢、カヌークラブの方針によっても違ってくる。
また、海のコンディションによっても違ってくる。
昔から決して変わらないのはただ一つ、、、、、みんなで合わせてパドリングする事。

Paddler(パドラー)
アウトリガーカヌーをパドルする人の事で、OC-6の場合、各シート(座る場所)により、パドルの仕方、役目がある。

Hull(ハル)
アウトリガーカヌーの本体部分

Ama(アマ)
アウトリガーカヌーの転覆防止の浮き材、大きくて軽いのが最近の主流。

Iyako(イヤコ)
AmaとHullをつなげている2本の木

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